2008年10月、現在の当社の取締役、宇都宮がいきなり1通のメールを送ってきた。当時別会社のIT担当役員であったわたしは、製造現場に近い皮膚感覚を持ち合わせている宇都宮の発想に一目置いていたところだった。
--宇都宮のメールから抜粋--
中小企業にとって、技術力が不足した場合、当社が支援する方法が今のところありません。
そこで技術士という存在をDB化して検索できるようにしたら、お役に立てるかもしれないと思いました。
また技術士にとってもせっかく身につけた高度な技術力を活かす場を広げられると言うメリットがあります。
思いつきレベルですが、こんなアイデアはいかがでしょう?
技術士にこだわらなくても、エンジニアリングを売りに出来る人財を確保したいという狙いもあります。
・***技研の大島先生
・++センターの青山社長
他にも多数いらっしゃると思います。
こういう方々の情報を持っていることで、付加価値の高いサービスを提供できるようになると考えます。
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宇都宮さんから技術士ネットワークの構想をメールでもらってから、3日後くらいに具体的なPPTのファイルがあがってきた。
それを当時の会社にメールするが、反応がない。まったくといっていいほど。おそらく理解できなかったものではと思われる。
まあ、こんなものだろうとおもい、そのままパスすることにした。この企画も没か。。と思いながら。
宇都宮さんからプランをもらったあと、二人で時にはメールで
時には食事をたべながら、このプランを何とか事業化できないか
と議論を繰り返した。
そして、ある程度までの事業化も道筋ができた段階で、社内プロジェクトとして推進しようという話しになった。
2009年6月 社内での事業計画の練り直し検討会がひらかれるということになったので、良い機会なので、このプランを基に計画をたてましょうということになった。
社内での反応は薄かったものの、とにかくコンセプトからスタートしようと、技術士の大きな団体や、製造業OBたちの集う団体などに顔をだしはじめた。
訪れる先々で、このような製造業を支えるDBがあれば役に立つのではと話をふるのだが、先方はインターネットはメール程度しか使わない方々がおおいので、どうもピンとこない様子だ。
そのように、コンセプトのPPTを印刷しては、各種団体に足繁く通う日々が続いた。
7月8日に「モノづくりプロデューサー」という企画書をまとめ、BCCN小林さんに呼びかけていただいて集まった専門家ネットワークの方々に事業案をプレゼン。
プロデューサーって儲からない仕事という厳しいご意見が。
しかし翌週7月14日、先日の我々の拙いアイデアをもとに、細川さんがブラッシュアップしてまとめてくださった。より良い方向に進んでいると思う。形にして、皆がハッピーになることを目指したい。
7月21日、三木さんから「モノづくりベンチャー創出サービス(enmono) ver.0.8.5」という企画書を手渡される。
8月25日ver0.8.6のプレゼン資料より、enmono(縁+mono)になる。
そして、技術だけではなく、デザイン人脈を広げるべく、現enmonoデザイン統括の竹野内さんのお知合いに、enmonoのプレゼンをする。
なんか、竹野内さん以外はポカーンとされていたけど…
9月22日enmono事業で起業する意思確認を行う。
10年後、enmonoの始まりはこうだったんだよと、伝説で語られるような企業にしましょうね、とお互い約束する。
10月23日、皇居で撮影会。
二人、HPや会社案内などの掲載用に高吉さんに撮ってもらう。
いい天気でした。
11月4日、新宿公証人役場へ行き、二人、株式会社enmonoの定款を提出する。
会社を作るという実際の行動に立ち会う。
二人で手作りで会社を立ち上げていく。
http://d.hatena.ne.jp/wooty/20091101